2008年04月07日

いつ妊娠したのでしょうか?

【Q】
いつ妊娠したのでしょうか?
以前は診察でお世話になりました。
生理不順でいつ妊娠したのかわからず、心のモヤモヤが解消できないので相談させていただきます。

・4月24日から1週間、最終の生理がありました。(それ以前3ヶ月は33日周期でした。)
・5月14日と5月29日に性交渉
・5月末に生理がなかったので6月5日に妊娠検査薬を使用したところ陰性
・6月22日・23日に少量の出血
・6月28日に妊娠の可能性有りと診断される
・7月5日に妊娠6週目と正式に診断される(超音波からの予定日はこの時点で2月21日)
・10月18日の超音波写真を見ると予定日が2月上旬になっています。(1〜2週間分胎児が大きい)
以上の診断をされているのですが、5月14日、5月29日どちらの性交渉が妊娠に結びついたのでしょうか?
すごく悩んでますので、ご回答よろしくお願いいたします。

【A】
分娩の予定日はCRL(頭殿長)から正確には算出します。
予定日を算定した受診日の妊娠週数を、受診日から引いて2週間加えた日が妊娠した日になるかと思います。
posted by ASKAーLC at 18:03| 奈良 雨 | TrackBack(15) | 妊娠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Re: いつ妊娠したのでしょうか?

【Q】
Re: いつ妊娠したのでしょうか?
お忙しいところご回答ありがとうございます。
ということは・・・
7月5日に6週目と診断されているので、そこから6週間引いたら5月24日
それに2週間加えた日が6月7日となりました。
初期に診断された週数というものは、後々訂正することはあるのでしょうか?
6月28日の診断では胎児の袋がうっすら出来かけているという診断で、7月5日の診断では確実に妊娠が発覚したので、週数に間違いはないでしょうか?
5月29日以降の妊娠であれば、何も問題はないのですが・・・
何度も質問させて頂いて申し訳ございません。

【A】
私のいう妊娠週数は 胎児が10〜20mmくらいの大きさになり、心拍が確認できた日の妊娠週数のことです。
あなたのおっしゃる「妊娠の発覚」した日のエコー所見がどうなのかで判断してください。

    補足
妊娠週数の数え方は、月経初日を「妊娠0週0日」として設定します。
つまり月経14日目は「妊娠2週0日」、28日目が「妊娠4週0日」となるのです。
排卵が月経14日目に起こる場合、排卵日は「妊娠2週0日」となります。
従って月経周期が毎月狂うことなく決まって28日間隔の人であれば、最終月経から数えた妊娠週数は、実際の週数とほぼ間違いないものです。
一方、月経周期が35日の人であれば、最終月経からの週数は、実際の妊娠週数より一週だけ大きく計算されてしまうのです。
これでは分娩予定日が排卵周期によってバラバラとなってしまうため、これに影響を受けない方法として現在では一般的となっているのが、胎児大きさである「頭臀長」を用いた妊娠週数の算出方法です。

胎児の大きさがおよそ15ミリ〜25ミリの期間に測定した「頭臀長」は、妊娠週数ときれいに相関するため、これによる算出が最も正確とされます。従って算出された予定日より14日さかのぼった日が「妊娠日(排卵日)」となるのです。
posted by ASKAーLC at 18:02| 奈良 雨 | TrackBack(0) | 妊娠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

エリスロシンについて

【Q】
エリスロシンについて
はじめまして。
今妊娠9週目でトキソプラズマの検査をうけました。
トキソプラズマは問題ないとゆうことだったのですが、マイコプラズマの数値が高いと言われ、エリスロシンを2週間分もらい飲んでいますが、胎児には影響はないと言われたのですが、心配です。本当に大丈夫でしょうか。
飲むのをやめようかと思ってしまいます。

【A】
まず確認ですが、トキゾプラズマとマイコプラズマは、名前こそ似ていますが、全くの別物です。トキソプラズマは胎児への奇形を引き起こす可能性がある原虫ですが、一方肺炎の原因となるマイコプラズマにはそのような影響はありません。流産の原因になるとの報告はあるのですが、今回まゆみさんが妊娠中に検査を受けたのは、咳などの症状があったためでしょうか?

マイコプラズマ肺炎は夏場に多く、オリンピックの年に流行するという傾向があります。発熱と頑固な咳が特徴です。胎児への影響はありませんが、妊娠時には呼吸機能が低下するので、患った場合には重症化する可能性もあるので、適切な治療が必要です。
妊娠中の治療薬としてはマクロライド系(エリスロマイシン)の薬剤が選択されます。
これは比較的古い薬剤であるため妊娠中の服用に関するデーターが散見されます。危険度は低いと考えて良いようですので、「有用性投与」の考えで服用をされれば良いかと思います。
余談ですが、妊娠中に見つかったクラミジアに対してもこのエリスロマイシンが処方されます。

それからこれは皆さんへのお願いです。
いかなる薬剤にも副作用はあり得ます。とりわけ妊娠中であれば、胎児への影響も心配となります。我々は、妊娠中の処方は必要最小限にとどめるようにしており、飲んでも飲まなくてもどちらでも良いクスリを、出すことはありません。
そして薬剤は処方する側に説明責任があり、その医師の指導で服用するものです。このあたりについての説明を十分受けず、また自分でも納得することなく服用したり、服用を中断したりするのは、あなた自身にも問題があると思います。

私の発言は、第三者のアドバイスに過ぎません。診察もせず、状況も知らずに投薬の是非を問う権限は私にはないはずです。
勿論いい加減なことを言っているつもりはありませんが、さりとてネットでは回答している人物が本当に医師であることの保障も全くないのであります。
駅前のコンビニで買った弁当が腐っていたと、会社の近くの同系列の店に文句を言うのは筋違いであるのと同様に、処方されたクスリは、もらった診療機関で説明を受けるという意識を持っていただければと思いますが、いかがでしょうか?
posted by ASKAーLC at 18:00| 奈良 雨 | TrackBack(0) | 妊娠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

オカルト妊娠?

【Q】
オカルト妊娠?
先生初めまして。二人目不妊で治療歴一年目です。
排卵障害と黄体機能不全があります。HMG とHCGを使いタイミングを六か月間とりましたがだめでした。その後副作用が出て治療を止めました。
すると翌月誘発剤の服用だけで妊娠しました。
しかし数日で完全流産しました。最近読んだ本にオカルト妊娠の話が載ってました。
そこには、よい精子と卵子を良いタイミングで・・・と書かれてました。
タイミングの日以外は避妊した方が良いとの内容でした。
数打てば当たると信じてた私には驚きの内容でした。
だから私は流産したの?と思いました。夫はコンドームを嫌がって使ってくれません。
オカルト妊娠、先生はどう思われますか?
タイミングをとるとき以外は、先生の病院でも避妊を勧められてますか?

【A】
あまり使わない表現ですが、「オカルト妊娠」とは化学的妊娠(化学的流産)、つまり受精、着床することで妊娠反応は陽性となったが、あと少しのところで流れてしまう(月経がきてしまう)状態を指します。妊娠検査をしなければ、少し月経が遅れただけと見過ごしてしまう訳ですが、このような現象はかなりの頻度で起こっていると言われています。
原因については不明ですが、妊卵の染色体異常などが通常の流産と同様に起こっていると考えられます。
少なくとも、それに気づかずに性交渉を行ったことが直接的な原因ではないでしょう。
さて、ご質問の「排卵日以外は避妊をした方が良いか?」との質問ですが、良いとも悪いとも判断する根拠がありません。排卵の時期以外では子宮頚管粘液が出ないため、膣内に射精された精子は子宮内に侵入できないようになっています。
また受精には良い精子と良い卵子が出会うことは必要ですが、受精卵の40%には染色体異常があり、妊娠の15〜20%は流産するので、オカルト妊娠についても良い受精卵を選ぶための自然の選別と考えることができます
posted by ASKAーLC at 17:59| 奈良 雨 | TrackBack(0) | 妊娠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

お腹の張りについて赤ちゃんへの影響は・・・

【Q】
お腹の張りについて赤ちゃんへの影響は・・・
 前回、切迫流産の件で質問させていただいた者です。
大変丁寧な回答をありがとうございました。
現在18週になり、出血もなく無事に過ごしておりますが、16週あたりから、夜、仰向けに寝ているとお腹の一部(下腹部のほんの一部分)が内側から押されるように膨らみ、また元に戻るということがあります。時間にすると長くても5〜10分で、特に苦しいとか痛いというわけでもなく、「お腹がカチカチに硬くなる」というほどでもないような気がします。ちなみに、日中は仕事をしているせいか、もしかしたら上記のような症状があるのかもしれませんが自分ではあまり感じません。
 かかりつけのお医者さんに一度相談したのですが、仰向けに寝ているとお腹の皮がピンと張るので、生理的な子宮の張りを感じてしまうことはあるので、どうしても張りが治まらない場合にはウテメリンを飲んで様子を見るようにといわれ、とりあえず2回くらいは服用してみました。
 今は、横向きに寝るようにしているので夜はぐっすり寝ており薬も飲んでいませんが、朝目覚めたときに仰向けになったりするとお腹が膨らんでいることがあります。(すぐに元に戻りますが)
 このような状態は、いわゆる「お腹が張る」ということなのでしょうか?
もしこんな早い時期からお腹が張っているとしたら、母体にどんな影響があるのでしょうか。
何よりも、赤ちゃんにどんな影響がでるのでしょうか?
 お忙しいところ申し訳ありませんが、ぜひ教えてください。よろしくお願いします。

【A】
子宮は平滑筋でできているお肉のかたまりです。
これが最終的には3キロの胎児を収納するといのは、なんとも不思議なことであります。
子宮には骨格筋と同様に収縮する機能があり、この収縮が最高潮になるのが陣痛です。平滑筋は骨格筋とは違い運動神経によって自分の意志で動かすことができず、自律神経やホルモン作用によってその状態が調節されています。
この点は心臓と同じであり、驚いてドキドキすることがあるように、子宮も緊張することがあるのです。およそ10ヶ月という長い発育の過程で、子宮は自律的(生理的)な収縮を繰り返しますが、妊娠の5〜6ヶ月になると、「お腹の張り」として自覚することがあります。

またこれとは別に「お腹の皮のつっぱり」があります。
お腹の皮も妊娠期間にゆっくりと引き伸ばされますが、若い人ではピンと張っていることが多いため、これをお腹の張りととらえることもあるようです。
これらのお腹の張りでは通常、流早産につながることはないとされますが、なかには流早産につながる病的な収縮があるため、注意が必要です。
症状が気になる場合には内診を受け、予防的に子宮収縮抑制剤(ウテメリン)を内服する場合があります。
posted by ASKAーLC at 17:58| 奈良 雨 | TrackBack(0) | 妊娠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

つわり?これはどういう現象でしょうか?

【Q】
つわり?これはどういう現象でしょうか?
こんにちは。質問させてください。
私は去年の11月に6週4日で繋留流産の手術を受けました。質問というのは今回の体調のことなのですが、私は敏感なのか妊娠すると3週くらいから胃がムカムカしてきます。
前回流産した11月の時も3週に入った日から胃がムカムカしていました。そして今回、排卵日付近に旦那と仲良しをして、3週に入った日からまた胃がムカムカし始めました。
妊娠したんだと思い、生理予定日の3日前に妊娠検査薬を試したところうっすらと線がでました。その日から空腹時、食事をしたとき構わずに吐き気があり、1日に3度ほど吐いていました。また、生理予定日3日前の夜にほんの少しオリモノに血が混じっていたので着床出血だと思っていました。しかし、次の日になって、出血が増えてきたので今回は生理になるのかな。と思っていました。過去に初期流産を起こしたとき、出血が始まったらつわりと思われる症状は消えていました。でも今回は出血が初まっても吐き気が治まらず、高温期のまま体温も下がりません。念のためと思い、生理予定日の朝妊娠検査薬を再度試しましたがまた薄い線がでました。出血はいつもの生理と変わらない気がするのですが、出血が始まって3日たつのに検査薬に線がでるのは今までになかったし、吐き気に続き下痢まで始まり体温も高いままで、いったいどうしちゃったのだろう?と、とても不安です。
検査薬に反応が無ければ、嘔吐に下痢で風邪を疑うのですが・・。これはまだ妊娠しているということでしょうか?だとするとこの吐き気はつわりですか?妊娠初期で下痢になることもあるんでしょうか?出血もきになるし、一体なんなんでしょうか。お時間あるときで構いません、回答をお願いします。 よろしくお願いいたします。

【A】
「つわり」は通常、妊娠6?7週から見られますが、早い人では妊娠の5週前後から出現します。これは妊娠に伴い絨毛から分泌される「hCG(絨毛性ゴナドトロピン)」による作用だと考えられています。葉奈さんの場合、「妊娠3週」は排卵後1週間の時点であり、この時期の受精卵が分泌するhCGはきわめて微量であるため、自覚される吐き気などの症状が「つわり」と呼べるものかどうかは分かりません。
hCGには甲状腺を刺激して時に「一過性甲状腺機能亢進症状」をもたらすことがあり、「つわり」症状が強く出る場合には、甲状腺機能も調べておいた方が良いかと思います。
さて今回、月経予定日に妊娠判定が薄いながらも陽性を示し、高温期が持続しているとのことなので、やはり妊娠していると考えられます。しかし判定が薄い事と、月経様の出血が見られる事より「化学的流産」となる可能性が高いかもしれません。しかしながら妊娠が順調であっても月経予定日頃に「偽月経」と呼ばれる月経様の出血を経験することがあるため引き続いて経過を観察する事が必要です。また流産以外では子宮外妊娠の場合にも妊娠反応が弱いことがあり、注意が必要となります。
なお化学的流産は胎嚢が観察された後の「臨床的流産」とは区別されますが、何度も繰り返す場合には検査をすることがあります。
posted by ASKAーLC at 17:56| 奈良 雨 | TrackBack(0) | 妊娠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

つわりにはアロマテラピー?

【Q】
つわりにはアロマテラピー?
初めまして、現在妊娠2ヶ月なのですが、つわりがきついみたいなのです!
以前、つわりにはアロマテラピーがいいと知ったので、様々なHPを見たのですが、あるHPでは妊娠中の使用禁止のアロマテラピーが、他のHPでは使用してもいいと書いてあります
いったいどれが本当なのか分からなくなってきます。先生はどのように考えておられますか?

【A】
まず「つわり」を、あえてアロマテラピーで治療する必要があるのかどうかが疑問です。
私自身、アロマは、まだ不勉強な領域でもあり、適切な回答はできません。
つわりは、妊娠した際に胎盤より放出されるhCG(絨毛性ゴナドトロピン)による甲状腺刺激作用が一因とされます。妊娠5?6週ころより始まりおよそ1?2ヶ月続きますが、全く症状のない方も多く、症状の強さにはその人の精神的な要素も影響していると思われます。
この「つわり」が進行して、栄養障害が引き起こされると「妊娠悪阻(おそ)」と呼ばれ、加療が必要となります。
軽 症:嘔吐を繰り返し、脱水症状が進みます。尿量が減り、体重も減少します。
中等症:代謝障害を起こし循環などの一般状態がおかされます。時に肝機能障害がみられます。
重 症:脳神経症状が見られ、傾眠・昏睡におちいり、死亡します。

固形物の摂食が困難になると、とりわけ温かいものを受け付けなくなります。
水分が十分に取れている場合には、なんとかやり過ごせるのですが、これも嘔吐してしまうと脱水症状が出現してきます。重症だと肝臓機能障害を起こし、最重症では、ビタミン不足による脳症を起こして死亡する例があるのです。
妊娠というおめでたい出来事に随伴するためか、「つわりは病気ではない」と言った認識があるようですが、それは誤りです。
最近では、ポカリスエットなどの電解質飲料やビタミンのサプリが充実しているため、これらを摂取することにより症状の軽減が期待できます。しかし進行例では、輸液による水分、電解質、ブドウ糖に加えビタミンの補給が不可欠です。最近でも重症例では、人工妊娠中絶を行って救命することすらあるのです。
これでもアロマにこだわりますか?
posted by ASKAーLC at 17:55| 奈良 雨 | TrackBack(0) | 妊娠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

トキゾプラズマについて

【Q】
トキゾプラズマについて
初めまして、現在2歳の息子をもつ28歳の母でもあり、お腹には妊娠12週目になる胎児がいます。血液検査でトキゾプラズマの数値が5216もありました。2年前の息子の時は検査で異常なしでした。
私なりに調べたましたが、「胎児が水頭症などの精神運動障害がみられる。」ようなのですが今まで全国的にどのくらいの確率で障害がでているのですか?
実母は、看護婦をしていますが今までに水頭症の子供を何人も見てきているらしく、「今の時点で分かっているのなら私と子供の為にも中絶したほうがいいのでは?」と言います。
今のところ超音波検査などで異常はみられず、順調だと先生に言われています。来週再検査の結果がでます。先生はそれから考えていきましょう。と言っていましたが、1週間がとても長く辛いです。実母の言うとおり中絶したほうがいいのでしょうか?教えてください!!

>トキゾプラズマについて
再検査結果がでました。結果、以前からの感染のため抗体ができているので心配ないとのことでした。ほっとしている反面、本当に大丈夫なの?とちょっと心配しています。100%大丈夫なのでしょうか?
心配したらきりがないのは分かっていますが、障害がでるかもしれないなどと言われていたのでやっぱり心配です。
お忙しいと思いますが、よろしかったら先生お返事お待ちしております。

【A】
トキソプラズマ(TP)感染症は、原虫による人畜共通感染症です。TP感染は、ほ乳類をはじめ鳥類にも見られるとされますが、重要なのは最終宿主とされるネコへの対応です。TPのライフサイクルについて触れた後に、妊娠時の感染について説明します。

TPは、活動性から3タイプに分類されます。

1感染型:初感染したネコ(小猫)は、数週間にわたり糞便中に感染型TPを排泄します。この糞便や糞便で汚染された土壌などが食物摂取や庭いじりなどの作業中に、経口感染することでヒトに取り込まれます。ネコへの感染はTPで汚染された土壌やシストを体内に持つネズミなどの摂取により起こりますが、初感染ネコからの糞便への排泄は一時的なであり、ネコの体内で抗体が産生されると見られなくなります。従って感染既往のネコ(放し飼いの成長したネコ)は、安全と考えられます。

2増殖型:体内に取り込まれた感染型は、増殖型に変化し、筋肉や脳に侵入します。この際、発熱や筋肉痛などの症状を呈することがありますが、無症候性のことも多いとされます。感染した体内で抗体の産生が始まると増殖型は攻撃を受け死滅します。

3シスト型:体組織に侵入した増殖型は、抗体の攻撃から身を守るためにシストとよばれるシェルターを作り、この中に身を潜めます。このシストは、そのまま活動を停止し休眠状態のままに生涯を終えることになり、宿主にそれ以上の影響を及ぼしません。 しかしこのシェルターを持つ家畜を加熱することなく摂取すると、増殖型として活動を再開しヒトへの感染が起こります。

つまりヒトへの2大感染経路は、以下の通りであり、生肉からの感染の方が重要とされます。
・体内にTPシストを持つ家畜を加熱処理せず摂取すること
・ 初感染ネコの糞便中に排泄された感染型TPに汚染された食物、土壌から

TPの抗体保有率は、豚の飼育環境の改善や生肉の摂取への配慮により本邦では低下傾向です。 生肉摂取をする欧米では、依然高い保有率であるとされます。
トキソブラズマ症には後天性トキソブラズマ症と先天性トキソプラズマ症とがあります。
後天性感染症で見られる症状は、頸部リンパ節炎と網脈絡膜炎です。前者は頸部にできるリンパ節の腫脹であり、発熱を伴い感冒と区別ができません。網脈絡膜炎は、滲出性中心性網脈絡膜炎となり瘢痕治癒しますが、ときに視野欠損となります。
先天性感染症は妊娠中の母体への初感染により胎児に増殖型TPが移行することにより起こります。初感染が妊娠前期の場合は胎児への感染率は低いものの合併症の発症率は高く、また妊娠後期の場合は感染率は高いものの発症率は低いことが、抗体保有率の高いフランスで報告されています。妊娠経過を通じて感染と合併症が起こるため、逆に抗体陰性の妊婦は、分娩終了時まで注意が必要となります。
胎児への感染は約4割で、このうち発症するのは、3分の1程度と推測されています。
症状としては、網脈絡膜炎、氷頭症、精神発達障害が知られていますが、先天感染も大部分は無症候に経過するか、生後一年から思春期ごろにかけて脈絡網膜炎の病型で発症するため、眼科的な問題として重要とされます。

妊娠前、妊娠中の注意についてまとめます
・抗体陽性の妊婦
グロブリン分画を再検査し、IgM分画が陰性なら感染既往であり感染から時間が経過しているため、増殖型は体内に存在しない。従って胎児への移行はないと考えてよい。 IgMが陽性なら、初感染となる。胎児へTPが移行している可能性があるので、適切な抗菌剤を服用する。

・抗体陰性の妊婦
分娩終了まで感染しないように心がける。その意味で抗体陽性の妊婦より注意が必要と言える。1生肉を避ける。調理に使用したまな板は加熱消毒する。
1:生野菜はよく洗う。畑からの取り立て野菜には注意する。
2:ガーデニングに注意。庭にネコの糞があれば、要注意。
3:子猫に注意。妊娠前後に小猫を飼わない。またすでに飼っているネコへの感染が済んでいるかどうかを獣医に調べてもらう。座敷ネコでも安全とは言えない。

きんぎょさんの場合には、IgM分画が陰性であったと思われるので、感染は過去にさかのぼって起こっていたと考えられます。いつどこで感染したかについては、この検査からは判明しません。おなかの赤ちゃんへの影響は、まずないと考えて良いのではないかと思います。
posted by ASKAーLC at 17:54| 奈良 雨 | TrackBack(0) | 妊娠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

現在妊娠32週、ソケイヘルニア再発?

【Q】
現在妊娠32週、ソケイヘルニア再発?
 29年前にソケイヘルニアの手術を受けておりますが、そこと同じ部分が出てくるようになりました。現在傷みはありません。以前の質問の回答にあったので参考させていただきましたが、この時期に手術することは可能ですか?嵌頓状態になるのが恐いのですが・・・。(腰椎麻酔下での1時間弱の手術)よろしくお願いいたします。

【A】
ヘルニアが現在、嵌頓していないのであれば、保存的に様子を見てゆくのが良いかと思います。
嵌頓予防として、妊娠のこの時期に手術を行うのにはリスクが伴います。例えば術後の感染症や手術の侵襲による切迫早産、さらに術後に使用する鎮痛剤にも問題があります。
今回の出産を終えてから、改めて専門医にご相談されてはいかがでしょうか?
posted by ASKAーLC at 17:52| 奈良 雨 | TrackBack(0) | 妊娠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

授乳中のミノマイシンの服用について

【Q】
授乳中のミノマイシンの服用について
私は生後3ヶ月の子供に授乳中の母親です。先日、子供とともに風邪をひいてしまい、かかりつけの小児科で子供と一緒に受診しました。その小児科の医師に授乳中であることを伝えたところ、次の薬を処方されました。
・ミノマイシン
・メチエフ
・タベジール
・メジコン
・レフトーゼ
3日間ほどこれらの薬を服用しました。
その後、Webでこれらの薬について調べてみたところ、ミノマイシンは授乳中には服用しないことと記載されているのを見つけました。
ミノマイシンを服用している間も授乳は続けていました。
ミノマイシンは、50mgx2錠を朝夕2回服用しました。
子供に影響がないか心配です。大丈夫でしょうか?

【A】
妊産婦に投与することを目的として開発された薬剤を除いてほとんどすべての薬剤には、妊婦および授乳婦への投与については「禁忌」「注意」などの添付がなされています。
妊婦や授乳婦における薬物代謝(胎盤を通じての移行、乳汁を通じての移行)は薬剤ごとに異なり個人差もあるため、薬剤の受動投与が胎児や新生児へ与える影響についての厳密な検証は困難です。また開発の段階で妊産婦を対象に含めて臨床試験を行うことには人道的問題もあり、行われておりません。生まれ出ずる新しい生命に影響が及ぶとすれば、極めて深刻なことであるからです。また妊産婦は服用者としては少数派なので、開発費を考えると対費用効果からも製薬会社は危険をおかしてまで、妊産婦への臨床試験を行うことはないでしょう。
どのような薬剤にも隠れた副作用がある可能性があります。しかしその一方で経験的に安全性がわかっている薬剤も少なくありません。これらは妊娠と気づかずに服用してしまった症例などの蓄積から得られたものです。我々医師はこのような事例を参考にして経験則から妊産婦への投与について個々に検討をしております。
臨月の妊婦への投与が問題となったボルタレンの様に、歴史が古く慣れ親しんだ薬剤にも大きな問題があることが後になって判明するケースもあることを考えると、慎重にならざるをえません。「100%安全」といえる薬剤はないことを考えると投薬は極力避けるのが医療側の姿勢です。そこで我々は「有用性投与」という考えに基づいて処方を行います。例えば、妊娠初期であっても、肺炎を患っていれば抗生剤を投与しますし、妊娠末期で血圧が上昇すれば降圧剤を投与します。これらは放置することで母体に危険がおよび、しいては胎児にも影響することを考えての処方です。どんな薬にも作用と副作用があります。作用だけを期待しますが、副作用が付いてくることもあります。これはいたしかたないことと思われます。状況をふまえて、判断しているのが現状です。 ミノマイシンをはじめとするテトラサイクリン系の抗生剤では妊娠中の服用により胎児の歯への色素沈着や胎児発育不全などの報告があり、危険度は比較的高い薬剤とされています。授乳中における危険性についての報告は調べたところ見あたりませんが、ミノマイシンには「小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合、歯牙の着色・エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがあるので、他の薬剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮すること」という添付文書がついているため、授乳婦に第一選択で投与する薬剤ではないと考えます。今回の小児科での処方には一般的な感冒に抗生剤が必要であるかという疑問の他に、なぜセフェム系の抗生剤を投与されなかったのかという疑問が残ります。
誤解されている方も多いと思いますが、感冒はウイルス性の疾患であり、一般の抗生剤は効きません。感冒に続発する細菌性気道感染症に対しての予防的な抗生剤の投与も意味がないというのが欧米の考えです。必要のない抗生剤の投与がMRSAなどの難治耐性菌を作り出しているというのは我々の常識です。医療過誤が声高に叫ばれるご時世であり、どのような薬剤についても「それがなぜ必要なのか?本当に必要なのか?」を医師に確認することなしに、ただ黙ってもらって帰ることはやめたいものです。
今回服用してしまった分については決して多量ではありませんので、おそらく問題はないと思いますが、今後は注意したいものですね。
posted by ASKAーLC at 17:51| 奈良 雨 | TrackBack(0) | 妊娠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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